血液提供の許可

家内の姉妹を説得して、血液提供の許可も得た。しかし、これはさすがに、主治医の先生と激しい口論になった。「天野さん、私たち専門家にまかせてください。冷静に、落ち着いて現実を見てください」。先生の厳しい言葉に、私はふと我に返った。読者の方々は、癌患者を抱えた肉親の悪あがきとお笑いになるだろうか。しかしそれも、残り少ないと何かの本で読み、家内の全身の血液を健康な血液に交換してくれるようお願いもした。家内の姉妹を説得して、血液提供の許可も得た。しかし、これはさすがに、主治医の先生と激しい口論になった。「天野さん、私たち専門家にまかせてください。冷静に、落ち着いて現実を見てください」。先生の厳しい言葉に、私はふと我に返った。読者の方々は、癌患者を抱えた肉親の悪あがきそれも、残り少ない彼女の人生に、ただ苦痛を与えてしまっただけなのかも知れない。日に日に病状が重くなる彼女に、私は、無理を強いていたのかも知れない。彼女は、本当に頑張っていた。ある日、大阪から叔母が出てきたことで、はしゃぎながら病院に見舞いにやって来た息子たちを、彼女は枕元に呼びつけてなにやら諭している。あとで息子たちにたずねると、「お母さんが、こうして苦しみに耐えている姿をよく見ておきなさい。我慢することを覚えなさい」と言って叱ったという。

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